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複眼で見る中東報道


中東地域の報道を通し、国際社会の現状を複眼的に考えよう(地球村研究所)。研究所所長の 「水口章:国際・社会の未来へのまなざし」(http://blogs.yahoo.co.jp/cigvi2006)もご参照ください。
by cigvi

2007年10月30-11月1日に拾ったこぼれ話

*日本のマスメディアであまり取り上げられなかったニュース(英語・電子版)を中心に拾っています。

<中東和平関連>
●パレスチナ自治政府のファイヤド首相は11月1日、中東和平ロードマップの第1段階を遂行するため、イスラエルのバラク国防相と米国の中東安全保障コーディネーターのキース・デイトン中将とともに作業を行うつもりだと述べた。ロードマップの第1段階では、パレスチナ側は全ての暴力の終結を宣言して民兵に対する行動を起こすことになっており、一方、イスラエル側は入植地の拡大を凍結し、不法入植地の撤去をすると共に、パエスチナ人が行政センターに容易に行くことができるよう検問所を除去することになっている。(11/1ハーレツ)
http://www.haaretz.com/hasen/spages/919332.html 
●イスラエルのオルメルト首相は、ここ2、3日のイスラエルの政府高官や外国の外交官との会話の中で、イスラエル・パレスチナ紛争における核心問題のすべてについてこの一年以内(ブッシュ米大統領の在任中に)に合意に達することを望んでいると述べた。政府高官によると、オルメルト首相はその理由を2つ挙げた。1つは、2004年4月にブッシュ大統領がシャロン前首相に宛てた手紙で、イスラエルの主要な入植地の保有を支援すると述べたことである。2つめは、ブッシュ大統領が主導する中東和平ロードマップがパレスチナ自治政府に対し、パレスチナ国家樹立の前にテロ組織を取り除くことを求めていることである。(11/1ハーレツ)
http://www.haaretz.com/hasen/spages/919587.html 
●パレスチナ自治政府のアッバス大統領の特使(団長Rawhi Fatuh氏、ダマスカス到着は30日)が31日ダマスカスを訪問し、シャラ・シリア副大統領と最近の中東和平情勢について協議した。特使のメンバーの一人Naser Yousouf氏は30日、ダマスカスに拠点を置く複数のパレスチナ人組織が、米国主催の中東和平国際会議に対抗する目的で実施予定の会合(11月7-8日)は不適切だと非難した。アッバス大統領の特使がこの件についてシリア政府に圧力をかけるよう依頼したかどうかは不明だが、その後30日遅く、ダマスカスのパレスチナ人組織がドイツのPresse-Agenturに、会合の延期を伝えた。(10/31ハリージュ・タイムズ)
http://www.khaleejtimes.com/DisplayArticleNew.asp?xfile=data/middleeast/2007/October/middleeast_October468.xml§ion=middleeast&col= 
●先週エルサレムを訪問していた米国のハドリー国家安全保障担当大統領補佐官は、イスラエル政府に対し、予定されているアナポリスでの中東和平国際会議に向けて、西岸地区の違法な入植地の撤去と西岸地区のパレスチナ人への支援努力を行うよう求めた。また、同補佐官は、ライス米国務長官は単独で行動しているのではなく、全面的にホワイトハウスと共に動いている旨明確に述べた。(10/31ハーレツ)
http://www.haaretz.com/hasen/spages/918893.html 

<その他の地中海関連>
●北京を訪問しているヨルダンのアブドラ国王は10月31日、中国の温首相と会談し、ヨルダンは中国と二国間レベルでも、地域的及び国際的問題の進展のために協力して取り組む意味でも、戦略的パートナーシップを模索している旨述べた。(11/1ヨルダン・タイムズ)
http://www.jordantimes.com/index.php?news=3298 
●シリア国営紙Al Thawraが11月1日に報じたところによると、同国は1日より、ガソリン価格を20%値上げする。これにより1リットル30シリア・セント(60米セント)から36シリア・セント(74米セント)となる。(11/1ハリージュ・タイムズ)
http://www.khaleejtimes.com/DisplayArticleNew.asp?xfile=data/middleeast/2007/November/middleeast_November9.xml§ion=middleeast&col= 
●レバノン外務省関係者が31日に述べたところによると、イランのモッタキ外相はシリアに続き31日にレバノンを訪問予定であったが、直前にキャンセルとなった。(10/31ハリージュ・タイムズ)
http://www.khaleejtimes.com/DisplayArticleNew.asp?xfile=data/middleeast/2007/October/middleeast_October466.xml§ion=middleeast&col= 

<イラク関連>
●ブッシュ米大統領は、ワシントンを訪問(10月27日から10日間)したイラクのアンバル覚醒評議会の代表団と会談し、イラクの領土と国民の統一保持および米軍基地で拘留されている無実のイラク人をできるだけ早期に釈放することを約束した。同評議会のSheikh Ahmed Abu Risha指導者が述べた。(11/1ボイス・オブ・イラク)
http://www.aswataliraq.info/look/english/article.tpl?IdLanguage=1&IdPublication=4&NrArticle=59203&NrIssue=2&NrSection=1
●イギリスのデス・ブラウン国防相は11月1日、イラクのアルビルを訪問し、クルド自治政府のバルザーニ議長とイラクの治安状況やイラク・トルコ間の緊張状態などについて会談した。同国防相は10月31日朝、予告なくバグダードを公式訪問した。(11/1ボイス・オブ・イラク)
http://www.aswataliraq.info/look/english/article.tpl?IdLanguage=1&IdPublication=4&NrArticle=59157&NrIssue=2&NrSection=1
●イラクのジバリ外相は同国を訪問したイランのモッタキ外相との共同記者会見で31日、イスタンブルでのイラク安定化会議は北イラク国境問題よりもイラクへの支援に焦点が当てられるべきだと述べた。(10/31ボイス・オブ・イラク)
http://www.aswataliraq.info/look/english/article.tpl?IdLanguage=1&IdPublication=4&NrArticle=59078&NrIssue=2&NrSection=1&ALStart=40 
●UICの国会議員Sami al-Askari氏がボイス・オブ・イラクに語ったところによると、イラクの国会は30日、6ヶ月前にサドル派の閣僚が辞任して以来、空席となっていた2つのポストへの新閣僚就任を承認した。農相にAli al-Bahadli氏、保健相にSaleh Mahdi al-Hasnai氏がそれぞれ承認された(両氏ともテクノクラート)という。(10/30ボイス・オブ・イラク)
http://www.aswataliraq.info/look/english/article.tpl?IdLanguage=1&IdPublication=4&NrArticle=59013&NrIssue=2&NrSection=1&ALStart=40 
●米国のイラク再建のための監査官による30日発表の評価結果によると、ティグリス河のモスル・ダムの改修(2700万ドル規模のプロジェクト)が進んでおらず、イラク最大のダムは崩壊の危機にある。(10/30アルジャジーラ)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/278B5A68-4C02-4AAC-A864-63800596B638.htm 

<イラン関連>
●イランのハーメネイ最高指導者は、バシージのメンバーと学生たち数千人を前に10月31日、イランの尊厳、独立性および強さは、一人一人の個人、特に若者の主導のもとに実力と信仰と科学的努力を高めることにかかっている旨述べた。イラン国営通信(IRNA)が報じた。(11/1イラン・デイリー)
http://www.iran-daily.com/1386/2980/html/index.htm 
●IMFの最近の報告書「Regional Economic Outlook: Middle East and Central Asia」によると、イラン暦の今年度末(2008年3月19日)までに、イランの経済成長率は6%となり、インフレ率は17.5%となると予想される。昨年度の経済成長率は4.9%であった。(10/31イラン・デイリー)
http://www.iran-daily.com/1386/2979/html/index.htm 
●イラン国営通信(IRNA)が報じたところによると、シリアを訪問しているイランのモッタキ外相は29日、バッシャール・アサド・シリア大統領との会談後、ムアッレム・シリア外相との共同記者会見で、友好的・戦略的関係を持つ両国は引き続き政府高官間の意見交換を続けていく旨述べた。また、アサド大統領との会談では、同大統領のトルコ訪問や、テヘランでのカスピ海沿岸国サミット、北イラク問題、イスタンブルでのイラク安定化会議、レバノン問題、パレスチナ問題などについて協議したと述べた。さらに、モッタキおよびムアッレム外相は、トルコに対する北イラクのPKKの攻撃を非難した。(10/30イラン・デイリー)
http://www.iran-daily.com/1386/2978/html/index.htm 

<アラビア半島関連>
●サウジアラビアの参謀長Salih al-Muhayya大将は、10月30・31日に第5回GCC諸国の参謀長らによる高級軍事委員会を主催し、GCC諸国の安全および富の保護は、GCC諸国の統一した戦略と軍事協力の強化によってのみ可能であると述べた。また、湾岸のたて軍の活性化の必要性を強調した。(11/1シャルクル・アウサト)
http://www.asharqalawsat.com/english/news.asp?section=1&id=10740 
●米国政府は、イエメン政府が2000年の米艦船コールの爆破事件の犯人Badawiを釈放したか否かの情報を出すまでは、調印が予定されていた2億600万ドルのイエメンへの支援は棚上げにすると述べた。(10/30ハリージュ・タイムズ)
http://www.khaleejtimes.com/DisplayArticleNew.asp?xfile=data/middleeast/2007/October/middleeast_October438.xml§ion=middleeast&col=
●サウジアラビアの女性の外国人との結婚が増加している。最近の内務省の統計によると、過去5年間で2万人のサウジ女性と外国人男性の結婚が登録された。サウジ女性は政府の特別な許可がない限りサウジ男性以外との結婚は禁止されており、許可がある場合でもGCC諸国の市民以外のアラブ人男性とでなければ結婚できない。(10/30ハリージュ・タイムズ)
http://www.khaleejtimes.com/DisplayArticleNew.asp?xfile=data/middleeast/2007/October/middleeast_October434.xml§ion=middleeast&col= 
●サウジアラビアの閣議は29日、資金、貴金属および有価証券の移転のための新法を承認した。新法は、銀行、投資会社、保険会社、貴金属を取り扱う工場、ショールームおよび店舗、移転に関するセキュリティー会社などに適用される。(10/30アラブ・ニュース)
http://www.arabnews.com/?page=1§ion=0&article=102967&d=30&m=10&y=2007 

by cigvi | 2007-11-06 22:09 | <こぼれ話>
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