人気ブログランキング | 話題のタグを見る

複眼で見る中東報道


中東地域の報道を通し、国際社会の現状を複眼的に考えよう(地球村研究所)。研究所所長の 「水口章:国際・社会の未来へのまなざし」(http://blogs.yahoo.co.jp/cigvi2006)もご参照ください。
by cigvi

注目ヘッドライン-電子版より

●4月18日付ハーレツ「イスラエル国連大使:PA、イラン、シリアの宣戦布告」:  国連安保理で17日、イスラエルとパレスチナの国連代表が議論で相互に非難した。その中、イスラエル大使は、9人が死亡、数十人が負傷したイスラム聖戦によるテルアビブでの自爆テロの後、イラン、シリア、パレスチナ自治政府(PA)首脳の行動を“宣戦布告”だと述べた。一方、パレスチナは最近のイスラエルのガザへの軍事攻撃を非難した。しかし、テルアビブのテロについては、アッバス議長同様、これを非難した。<参考記事:18日付アルジャジーラ「イスラエル:自爆テロの背後に悪の枢軸」>
●4月18日付ハーレツ「日本がハマス率いる政府への新たな支援を停止」:  日本の外務省高官は18日、ハマスが中東和平プロセスにコミットすることが明確になるまで、ハマス率いるパレスチナ自治政府への新たな支援を停止すると宣言した(1993年よりパレスチナにおよそ8億4000万ドルの支援をしている)。しかし、必要があれば新たな人道支援の提供を継続すると述べた。
●4月18日付トルコ・デイリー・ニュース「イランのヒズボラ指導者がトルコも攻撃対象と脅す」:  イランのヒズボラのサイード・ムハンマド・バジェル・ハラジ指導者が、トルコのNTVテレビのインタビューで、もしイランへの軍事行動で米国がトルコの基地を使用したりトルコから支援を受けたら、トルコも間違いなく攻撃対象になると述べた。トルコの日刊紙アクシャムとジュムフリエットが、米国はトルコでの海軍および空軍基地を探していると報じていた(米国大使館、トルコ外務省ともこれを否定)。

<こぼれ話>
イラン関連では、アハマデネジャド大統領が18日、恒例の国軍の日の軍事パレードの演説で、イランは「あらゆる攻撃者の手を切り落とす」と述べた。クウェイト訪問中のラフサンジャニ元大統領は、「湾岸諸国はイランへの攻撃実施に際し米国側には付かないことを確信している」と述べ、また。17日にラリジャニ最高安全保障委員会事務局長が、同国大統領のP2型遠心分離機に取組んでいるとのコメントを間接的に確認したとアラブ・ニュースが伝えた。一方17日、IAEAの査察官2人がテヘランに到着、NPTの枠組みにそって査察を行う予定とイラン・デイリーが報じている。モスクワでの常任理事国とドイツの協議は、イランが28日のデッドラインを守らなかった場合、米英は強制力のある決議の検討を、ロシアと中国は交渉による解決をそれぞれ主張し難航している。テヘラン・タイムズは、副内務大臣が市評議会選挙と専門家会議選挙の第4ラウンドを、イラン暦アバン(10月23日-11月21日)に平行して実施すると報じた。
テルアビブでの自爆攻撃関連では、米国務省報道官がハマスの「(攻撃は)レジスタンスの正当な権利の枠内」との発言に対し、パレスチナ自治政府の“本性”が明らかになったと述べた。EUも自爆攻撃を非難したが、パレスチナ、イスラエル双方に自制を呼びかけた。ロシアもEUと同様の反応を示した。ヨルダン国営通信は自爆攻撃を非難し、パレスチナ人にとっての大きなダメージと報じた。一方、エジプト紙アル・ジュムフリーヤは、自爆攻撃を犠牲と殉教の行為とし同様の攻撃が今後も実施されるだろうと報じたと、イェデオト・アハロノトが伝えた。また、イスラミック・ジハードは70人の自爆要員がいると脅したとハーレツが報じている。ファタハの軍事部門を含むパレスチナの武装勢力はアッバス議長のテロ非難声明に対し、批判を強めている。
イラク関連では、クルド自治政府がクルド自治区の石油問題を取り扱う新閣僚ポストを設置したと、イラク紙アッザマンが報じた。また、アルサバーハによると、内務省が逮捕したイラク治安部隊の第16大隊のメンバー70人が暗殺団に関わっていたことを自白したと発表。
スーダン関連では、中国とロシア、および非常任理事国のカタルが、4人のスーダン人に対する安保理制裁決議に反対している。

by cigvi | 2006-04-19 00:08 | 注目ヘッドライン
<< 注目ヘッドライン-電子版より イラク難民の増加は中東の不安定化の種 >>